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いい看板とは?

●ごあいさつ
看板を作り続けて30年になる一看板屋が、自社のためでなく看板業界全体を意識してこのサイトを作らせていただきました。サイト冒頭に書かれた「看板のすべて」は、このサイトを作るにあたっての私の意気込みです。このチャンスを与えてくださった、長崎県屋外広告美術協同組合と長崎県中小企業中央会に心から感謝を申し上げます。
「すべて」を目指し、このサイトは進化してまいります。

●看板屋が作る看板屋のサイト
看板を初めて注文する。看板屋の仕事をしてみたい。そんな人たちの疑問に答えるサイトづくりを目指しました。
「看板」というありふれた言葉ですが、私たちの業界ではその守備範囲の広さから、自分たちの仕事の総称として用いられることをあまり好んでいませんでした。しかし、普段のお客様が、私たちのことを面と向かって「屋外広告業者」と呼んでくださったという記憶もありません。今回このサイトを手がけるにあたって、あえてお客様にわかりやすいように「看板」という表現を中心にしました。

●いい看板
看板の役割はコミュニケーションだ、ということは前のページで触れました。
看板屋にとってのお客様というのは、仕事に対して対価を支払ってくださる事業者であることは言うまでもありません。しかし、私たちの仕事は、そのできあがった看板を見てくださるたくさんの人々の視線や考え方、そして安全を意識して進められなければなりません。そういった自戒を含めて、無謀を承知でいい看板とはなんだろう、というテーマを設けてみました。

古美術品なら、ひとりの鑑定家がテレビで「良い仕事してますね〜。」と言えばそれは良いモノとして位置づけられのかもしれません。「いい看板」の評価は誰がくだすのでしょう?
悪い看板なら、誰かがそれを言いだせば、すぐにでも悪い看板になってしまうのではないでしょうか。少なくとも私たち看板屋はそんな自負自戒を持って仕事をし、その看板に対する普通の人の評価に耳をそばだてているものです。

いい看板を論ずるときに、大まかに四つの立場があるかと思います。あくまでも順不同ですが、
1.事業主:看板工事を発注する立場
2.看板屋:依頼を受けて看板を制作する立場
3.顧客:その看板の対象となる、いわゆる消費者の立場
4.生活者:その看板とは直接関係ないが、普段の暮らしの中でその看板の存在を目にする立場

それぞれの立場で、いい看板を考えてみました。
1の立場からは、できるだけ少ない費用で効果のある看板、目立つ看板
2の立場からは、楽しく仕事ができて、利益もある看板
3の立場からは、わかりやすい看板
4の立場からは、せめてジャマにならない看板。ときにはない方がいい看板。
これがすべてとは言いませんが、代表的な声ではないかと思います。

通常、看板制作の費用というのは、3のお客様が1の事業で消費し、その一部が2の看板屋に支払われることでまかわなれます。こういった直接的な関係はとてもわかりやすいので、消費を生み出す看板がいい看板であるという考え方はあるかと思います。
私たちがしかし耳をそばだてるのは、往々にして4の立場の人たちの声にです。それは実は、4の立場の人には3の立場となる可能性がある、ということだけではありません。
3の立場となる人々の消費の力は、住んでいる地域の経済力と密接に関わっています。地域での暮らしが幸福であればそこに住む人々は増え、豊かになっていくと考えられます。
都市において看板はにぎわいを演出し、経済活動を推進する大きな力を持っています。反面、地域の魅力はにぎわいだけではないことは言うまでもありません。看板のない風景を財産として経済活動が成り立っている地域も少なくありません。そんな所に、目立つだけの看板を設置すれば、いずれはその影響が出てくるであろうことは想像に難くありません。そういう極端な例でなくても、たとえば住宅地のような普通の暮らしの場所に、都市のにぎわいを持ち込んだとしても、はたしてその事業の本当のお客様を開拓することになるのだろうか、という疑問は残ります。看板の役割であるコミュニケーションとは、単に目立つということでなく、その会社や商品を理解し受け入れてもらうことではないでしょうか?

都市景観を議論するとき、看板は往々にして阻害要因だと言われています。看板が悪者だということは、看板屋が悪者であるのと同じ意味だと思っています。それは、直接にその看板の工事を請け負った業者だけではなく看板業界全体の課題として考えるべきでしょう。
地域が本来持っている魅力を損なうことなく、その地域の経済活動の推進に貢献できる看板。あるいはその地域の景観に溶け込み、ときにはそこに暮らす人々を癒す力さえ持った看板。それこそが「屋外広告美術業」の腕のみせどころなのです。


このサイトに関するお問い合わせは
長崎県屋外広告美術協同組合
info@kanban-nagasaki.netまで