●看板屋になるには
自分の発想が街の景色の一部になる。それは看板の場合、商業活動の一部ではありますが、建築物にくらべずっと自由で柔軟な可能性を持っていると言えるでしょう。
以前はよく、文字や絵を書くのが下手だから、高いところがニガテだから看板屋には向いていない。と言われることがありました。
絵や文字をうまく描ける人、高いところが好きな人が良い看板屋かどうかは別として、カッコいい看板を作って街の景色を向上させ、それが更に私たちの毎日の営みをも向上させることができるとすれば、看板屋はとてもやりがいのある仕事です。
看板屋になりたいと思ったら、このサイトで近くの看板屋を探して直接押し掛ける、という方法もありますが、職業能力開発協会や職業訓練校の門を叩くのもいいかもしれません。中には手当付きで基礎技術が学べるコースもありますので相談してみましょう。
●看板屋に必要な資格
看板屋には免許制度はありません。特段の資格なしで営んでいる方も少なくありませんし、逆に、何らかの資格を持っているだけでは営業できないと考えたほうがいいでしょう。
必須の資格はないのですが、屋外広告業を営むにはそこの都道府県に届け出る必要があり、その要件として、その自治体の条例により実施される講習会を修了するか、広告美術仕上げ技能士の資格は必要になります。
現実に、組合に加入している事業所はみなさんそのどちらかの資格を取得していますし、組合でも従業員の資格取得には積極的に対応しています。
■広告美術技能士
・試験は組合と密接な関係にある技能士会の方々の協力によって実施されます。
・組合では、試験日の告知や試験前に模擬試験を実施するなどして合格率向上をはかっています。
■屋外広告士
・屋外広告物を掲出する者と地方公共団体の間に立って、適切な助言を行い、又は自ら、屋外広告業者の一員として優れた広告物の製作、掲出にあたる。
・一定規模以上の看板の場合、その維持管理に屋外広告士の資格を求めるケースもあるようです。
・比較的新しい資格で、内容はかなり高度です。組合では受験準備の講習会などを実施しています。
どちらも、看板屋としての技術や能力を客観的に示すものです。
近頃はISO取得を目指す事業所も増えてきました。協力事業所へそういった能力を客観的に示すものの提示を求めるケースもあります。その資格によってなにかが保証されるというわけではありませんが、仕事を覚えていく上で、ひとつの目標になるのではないでしょうか。是非チャレンジして欲しいものです。
直接に資格のことではありませんが、単に資格にあぐらをかかないという戒めも含めて、私たちに本当に求められているものは、特にめまぐるしく変化する技術や、お客様の嗜好に追いついていく学習意欲なのではないかと思われます。
それと、これはどの職業についても言えることですが、職場の上司や仲間たちの声に素直に耳を傾ける姿勢。これは、私たちの職務の本質が、お客様とのコミュニケーションの実現にあることを考えると格別に大事なことかもしれません。
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